アウトレイジ・ビヨンド

アウトレイジ・ビヨンド感想


前作は見れば見るほど笑えてくるシーンが増えていく特異な映画としてかなり好き。
続編は1度の鑑賞。その印象は笑える部分もあるが前作から随分と切れ味鋭くシャープ。


前作はヤクザ社会の下克上・使い捨てられるチンピラの怒りと悲哀をいろんな意味で面白おかしいバイオレンスのインパクトで引っ張っていく見せ方だったが、ビヨンドでは規模を拡大して関東&関西ヤクザ・警察・無所属のたけし達のドラマで見せていく。
1作目の予告

今作もセリフの面白さは健在で見終わった後は真似したくなること請け合い。関東ヤクザVS関西ヤクザの罵り合いの切れ味鋭い編集が素晴らしい。
たけし演じる大友が1度刑務所入って第三者的視点に目覚めたのか権力抗争に興味がなくなっていて、中野英雄とのやりとりのシーンでは普通にビートたけし状態になってる瞬間があって妙にかわいい(笑)などと、笑える要素に思わずフォーカスしてしまうが、前作の目玉でもあったおもしろバイオレンス自体は減ったものの、ここでこの人もう死ぬの?や、予告のこのシーンこのタイミング?な構成の巧みさ、たけし映画ならではのドライな殺し描写や静かでかっこいいショット(たけし出所シーンなんか妙にかっこいい)の増量等、娯楽要素とこれまでの尖った演出がいいバランスで交じり合い、見やすくて面白いのにアホくさくもなく、かっこよさ・ハードボイルドさを漂わせて終わるという最良の着地をした続編ではないだろうか。


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