2014年上半期映画トップ10

1年近くもブログを放置して気がつけば2014年も半分終わった事実に絶望しつつ映画はそんな私の事情など関係なく上半期も面白い映画が盛り沢山だった。

1.グランド・ブダペスト・ホテル
映像や美術なにもかも美しかったし配役も完璧で見ている間ありがたやーありがたやな気持ちでいっぱい。だがそれだけじゃないのが素晴らしかった。客の夜のお世話もしてるコンシェルジュが遺産相続に巻き込まれる大筋は大笑い出来るコメディ要素も満載だが、その裏で国名は具体的に出してないけど第2次世界大戦下のドイツ(ナチ)とソ連の侵攻に板挟みにあう不幸が見えてなんとも苦い余韻を残す。そんな中でもボーイのゼロやホテルを守った物語と意思は語り継がれ続いていく様は感動的。

2.ダラス・バイヤーズクラブ
女大好きカウボーイがコンドーム付けないで売春婦とやったらエイズになったという要約すると救いようのない始まりなんだが、病気になったことでエイズやゲイに対する差別・製薬会社と病院のクズい治験のやり方を目の当たりにして患者のためにアメリカで未認可の薬を調達するために西へ東へ奔走するようになるという驚きの実話。
最初嫌い合っていたロンとレイヨンが気遣い合うようになる過程がグッと来て仕方ない。
マシュー・マコノヒーとジャレッド・レトがアカデミー賞獲ったのは見れば納得できるはず。

3.ビフォア・ミッドナイト
サンライズとサンセット見ていたら確認しない訳にはいかないシリーズ3作目。
レボリューショナリー・ロードやブルー・バレンタインで独身男の結婚幻想は粉々に打ち砕かれたわけだが今回もジュリー・デルピーが事の最中に切り上げておっぱい丸出しで息子と電話し始めたりと時間を重ねて家族になった残念さみたいなものを見せられて終わるのかと思いきや時間が経過した事も悪いことばかりじゃないと思わされる終わり方で結婚悪くないんじゃないという気持ちに。(あては無い)

4.レゴ・ムービー
この死ぬほど寒い予告を最初に見た時は頭が真っ白になったものだが、評判があまりに良いので足を運ぶと流行語だけ固めたクソ寒い翻訳は無かったことになっていて安堵。
あらゆる物体と現象がレゴブロックで組まれてる映像は圧巻、物語も想像もつかない展開からの何人にもクリエイティブな気持ちが宿っている事を目覚めさせる熱い展開に涙。
レゴで自由になにか作りたくなる=欲しくなって終わる良い意味での宣伝効果も完璧。

5.オール・イズ・ロスト
期待していないで見に行ったらめちゃくちゃ面白かった上半期の拾い物No.1。
後半明らかになる難破した後に出した手紙の内容が冒頭に出るくらいで、主人公がどんな人物かはほとんどわからないまま海上のボートから始まり、寝てる間に漂流してきたコンテナが衝突→ボートに穴であっという間に大ピンチ。その後ひたすら続く孤独なサバイバルはゼログラビティを思い出さずにはいられない。
台詞がなくても背中で語るロバート・レッドフォードの存在感、圧倒的な音響の臨場感も素晴らしかった。

6.ホビット 竜に奪われた王国
IMAX3Dで川下りシーンを見た時はレゴラス強すぎ!あー面白え!と心の中で叫んでいました。思いがけない冒険から倍増の3Dを生かしたアクションシーンを存分に堪能しつつエンディングには自分たちの行いのせいで他人を巻き込む結果となる絶望的な終わり方でここで「今日は締めだなんて、3部は後1年またなきゃならんのか・・」とこの先がすぐに見れない事にビルボ並に絶望したのだった。
(第3部・決戦のゆくえはまさかの年内公開が決定)

7.キャプテンアメリカ ウィンター・ソルジャー
アベンジャーズでコスチュームも1番ダサいし前作にも全然のれなかったのだけれど、このウィンター・ソルジャーは抜群に面白かった。町山智浩氏の解説を聞いた後の受け売りだが陰謀物な物語は現代に起きていることを巧みに織り交ぜていて、事件を起こす前に自動的にテロリストは殺ってしまおうという(実際ドローンで本当にやりそう)過剰な抑止力による世界警察アメリカの確立を目指すシールド長官にアメリカの象徴キャップがそんなもんは自由ではない恐怖だ!アメリカがアメリカに抵抗する場面は実に痺れる。
ダサいキャップを尻目に片腕が金属なウィンター・ソルジャーはやたらかっこよくて気の毒だが盾アクションは冴え渡っていたのでコスチュームの事は今後忘れようと思う。
次回作も期待大。

8.her 世界でひとつの彼女
離婚調停中に人格のあるOSを購入。OSサマンサの機知に富んだ会話に魅了されて恋に落ちるのだが、個人にカスタマイズされたそれとの恋愛は自慰と自問自答を繰り返している様に見えて孤独が際立ちひたすら辛い。とはいえユーモアもばっちりで劇場内に笑いが起こる場面も多数でメランコリックになり過ぎないさじ加減も良い。あんまり金かかってなさそうなんだけどコンピュータの操作が音声ベースだったりゲームがホログラム等の現代から逸脱していない近未来を感じさせる演出が秀逸。

9.オンリーゴッド
何処からともなく取り出す刀で殺しては鎮魂カラオケを繰り返す神(おっさん警察官)が裏稼業を生業とする一家の罪に容赦なく罰を下す。母や兄との関係に苦しむジュリアンはなんとも悲しげだ。怪しい魅力を湛えるタイの街、うげーとなるバイオレンス、濃厚な色使いの超現実的な映像はなんだかわからないけど凄いもの見てしまったと思わせるパワーにあふれていた。

10.X-MEN フューチャー&パスト
ウルヴァリンSAMURAI以外は全部見ているX-MENシリーズ最新作。
前作ファースト・ジェネレーションをベースに初代キャストも総出演の豪華さ。
ベトナム戦争に生徒が徴兵されてプロフェッサーの学校が潰れてたりマグニートーがケネディ暗殺の実行犯として監獄入りしていたりと今回も史実とミックスした話が実に面白い。助けたマグニートーのせいでややこしい事になってたり、あんな騒ぎ起こしたらミュータント規制法成立まったなしなんじゃ・・とかツッコミどころ満載だけども1作目からファイナルディシジョンまでをうっちゃり新章に繋げる荒業に脱帽。

・レンタル枠
「ヤング・ゼネレーション」「エイプリルの七面鳥」「甘い人生」「ワイルド・スピード EURO MISSION」が特に面白かった。


下半期もゴジラやトランスフォーマーやら夏休み向け大作が目前に控えていて楽しみは尽きない。

コメント