Watch Dogs 感想 覗きの合間にビジランテ

2012年のE3にて突然発表されたWatch Dogsのデモ映像は圧倒的に美しい映像と目新しいハッキングというギミックが組み込まれたゲームプレイは次世代のゲームがやって来る事を強烈に印象付けた。

E3 2012 ubiカンファレンスでのデモ

翌年のE3で公開されたプレイデモでは街をまるごと停電させるダイナミックなハッキングシーンが披露され個人的に期待値は上がる一方であった。
そして2014年6月末に日本語版が無事発売された。PS4版を遊んだ感想をまとめる。

1番の目玉、期待していたハッキング能力は既存のE3デモでの街まるごと停電以上のインパクトが有る能力が無く拍子抜け。次に大きい物を操れる電車の発進・停止もキャンペーンの進行で使用する様にうまいこと組み込まれているわけでも無く、ただアンロックして使えるだけで勝手にどうぞという感じで、製品版ではデモ以上の事が出来るものと勝手に思い込んでいた私も悪いのだが期待とは裏腹に小じんまりした印象ばかりが目につく結果で、余りにも巨大なパワーをプレイヤーに与えると無敵になってしまってバランスが崩れるから仕方なしとは言えちょっと肩透かしを食らうものだった。

早速難癖を付けたWatch Dogsだがどうしても嫌いになれない点がある。
それはこのゲームがリスクのない「覗き」がいかに面白いかを体験させてくれることだ。
男湯から女湯を覗くなんてクラシックな表現が今でも散見されるくらいに見れないと知ると途端に見たくなるのが人間の悲しい性なわけですが、その原理に従って私のプレイする主人公エイデンは姪の死の真相なんぞそっちのけで市井の人々のテキストチャットや音声通話を日がな盗み見たり、プライバシー侵害という直球なタイトルのサブミッションで他人の部屋のカメラをハッキングして生活の悲喜こもごもを観察したりと、そのハッキング能力を覗き屋稼業に費やす不毛っぷり。

このプレイ感覚はドリームキャストで発売された早すぎた名作・Roomania#203でネジくんの生活に神としてちょっかい出してたあの頃を思い出してしまうのだが、watch dogsのこういった面白さはfacebookやtwitter、instagramに私生活の断片を無数に転がしニコニコ動画で自宅から生放送する人間が普通にいるような、生活を覗き見することが日常化した現代に絶妙にフィットしてると思う。

roomania#203のプレイ動画

一応キャンペーンも最後まで遊んだが記憶にさっぱり残らないどうにも魅力にかけるメインキャラクター達(ジョルディなんて何したかったのかさっぱりわからん)よりもシカゴで右往左往してる住民の方に感情移入してしまう始末であった私にとってctOS側・監視する側に焦点を絞ったゲームも出してくれないかなと妄想を膨らますばかり。

オンラインハッキングで勝手に乱入してくる見知らぬプレイヤーとの鬼ごっこは中々面白かったりグラフィック面でも絶え間なく揺れる草木や風に舞い上がるゴミ・葉っぱ等の生きた街の表現等光る要素はいろいろ有るので確実にある次回作の躍進に期待。





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