2014年 下半期映画ランキングトップ5

2015年になり早くも1ヶ月が過ぎようとしているこのタイミングで2014年の個人的劇場映画トップ5を発表。

1. 6才のボクが大人になるまで。
映画と音楽は時間芸術だとコッポラ大先生が地獄の黙示録のメイキングか何かで話してるのを聞いた時は「なるほどなー」と分かった気になったものだが、この映画を見終わった時に「そういうことか!」と頭の上に電球が出てるんじゃないかというくらい数年後しに得心がいった。12年もの長い間撮影したものを3時間に圧縮して見せる事で目の前でみるみるうちに子供は成長し、親は老い、世の中は変化していく。
時間は不可逆だけど確実に未来へ繋がってるのだと思わせてくれるラストは時間芸術たる映画の到達点なんじゃないかと思った。そういう理屈は抜きにしても劇映画としてしっかり感動も笑いも提供してくれるリチャード・リンクレイター監督恐るべし。


2. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
前評判の余りの高さに本当にそんな面白いのかなと期待と不安が入り混じる中、友人と足を運んだ結果、あらゆるキャラクター、デザインや曲の使い方、武器・ガジェットの利用法の多彩さ等々の溢れんばかりの豊富なアイデアを次々と見せつけられて鑑賞中その非凡さに感心しすぎて泣き出すという変な精神状態に。挙句ラストの展開でまたも目から水が漏れだしてこの5人にまた会いたい!と素直に思ったのだった。
終映後に思わず友人と握手を交わしてしまう映画なんて初めてだった気がする。
しかし「スリザー」とか「スーパー!」とか異形な映画ばかり撮ってたジェームス・ガン監督がこんなに広く喜ばれる映画を作れるなんて誰が予測できたろうか。


3. インターステラー
クリストファー・ノーランは前作の「ダークナイト・ライジング」を見て以降、「ダークナイト」はまぐれ当たりだったのかと過去作の評価も自分の中で軒並み下方修正する流れだったので今作もどうなんだろうと思いながらの鑑賞だったが、宇宙空間とそれに付随するワームホール・ブラックホール・5次元世界という読み聞きした事は有ってもなんだかよくわからない場所・現象を視覚で体験させて納得させてしまう映像の力が圧倒的だった。IMAXでの大画面と爆音鑑賞は大正解で家庭で見たらその魅力も半減しただろう。
前半は理屈で話が進むが宇宙に出てからアン・ハサウェイが愛がどうこう言い出して急にエモくなる事に戸惑うが5次元世界からメッセージを送るシーンは絵の凄さとマコノヒーさんの演技が相まって猛烈に熱い。最高。


4. ゴーン・ガール
他人が何を考えているかは絶対にわからないと思い知らされる恐ろしくも可笑しい傑作。
事件の発端である失踪したエイミーが他人からの願望を押し付けられる事へ断固抵抗して行く様は序盤は恐ろしく感じるが後半は行動がエクストリームになっていき爽快感さへ感じる(笑)この夫婦のその後どう生活を営んでゆくか想像してしまう様な締め方が素晴らしく、わからないという事を飲み込んで役割を全うすると腹をくくった二人は傍から見れば円満な家庭を築くのではないだろうか(笑)
平行して描かれるマスコミと世論の養護と誹謗中傷を行ったり来たりする報道と人の心理はそれはそれは身近で恐ろしいものがあった。
デビッド・フィンチャー組の撮影は相変わらずどのカットも美しい。


5. イコライザー
公開当初は全く気にしていなかったがツイッターで良い評判をよく目にしたので試しに見に行ったら大当たり。普段はホームセンターで働く物静かな男マッコールが不眠症の為に毎晩本を読みに通うダイナーでよく会う顔馴染みの娼婦が傷めつけられた事を知り、裏の顔・元工作員a.k.a.殺人マシーンの本性を発揮。ポン引きの元締めをとっちめた後に母体のロシアンマフィアから来た刺客との激闘で幕を閉じるのかと思いきや、続編製作など知った事かと言わんばかりの恐ろしいターミネーターっぷりで組織ごと壊滅!爽快すぎる!
そんなターミネータ・マッコールさんが何食わぬ顔で地元に戻り、意気揚々と悪人を葬るであろう裏稼業を始める素敵なエンディングで次はないかと思ったけど有るのかも?と期待させてくれるのだった。

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